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 今月、中国と台湾が相次いでTPP加盟を申請しました。英国はすでに交渉に入っています。18年3月の署名に先立つ17年1月に離脱した米国に戻って来てほしい日本と、Brexit(EUからの離脱)を選択してTPP加盟交渉を始めた英国、鬼の居ぬ間にTPPを乗っ取ってしまえないか窺う中国(ハードルはとんでもなく高いものの、中国が加盟してしまえば米国復帰の目はなくなります)。そして、中国が動いてしまった以上、ずっと申請のタイミングを伺って準備を進めていた台湾も当然動かざるを得ません(万が一、中国が加盟すれば台湾の加盟可能性はゼロです)。

TPP11日本、豪州、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、
チリ、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナム
加盟申請国英国(交渉中)、中国、台湾
復帰可能性米国
TPPの加盟国と加盟申請国

 7月のブログ、「RCEP不参加で自由貿易の孤児となる台湾」で詳述しましたが、台湾は中国以外の主要国ではニュージーランドおよびシンガポールとしかEPAを結べておらず、一定の品目・分野においてはアジア太平洋の自由貿易から排除されている状態です。

1.中国・台湾海峡両岸経済枠組協定(ECFA)10/9発効
2.台湾・ニュージーランド経済協力協定13/12発効
3.台湾・シンガポール経済パートナー協定14/4発効
台湾が締結する主要国とのEPA

 米中関係は当然ながら良いときも悪いときもあったのですが、台湾企業はその2大国の顔色を窺いながら、中国に膨大な生産拠点を持って世界に工業製品を輸出してきました。中国は、製造と市場、両面において台湾経済を中国に大きく依存させることを目指し、台湾がそれを享受してきた面も否めないのですが、近年の米中対立およびTPPをめぐる大国の思惑の錯綜の中で、どさくさに紛れてTPPに加盟し、中国離れを進めるまたとないチャンスが来た様にも思えます(台湾統一は中国の核心的利益ですから、台湾にとり相当に大きな賭けになることは間違いありません)。


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